Gentoo Linux フロッピーインストールガイド

  このガイドでは、CD-ROMドライブが使えないマシンに、フロッピーディスクを使って Gentoo Linux をインストールする方法を解説します。
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詳しくはオリジナルドキュメントプロジェクトを参照してください。




Contents:

1. はじめに

2. 下準備

3. インストール手順

Author : yamakura


Updated 8 February 2003




1.はじめに

この文書ではArch Linuxインストール用ブートディスクを利用してGentoo Linuxをインストールする方法を紹介します。 このディスクを使う理由は、特殊なフォーマットを使っていないためWindows環境でも容易にフロッピーに書き込めること、2.4系列のカーネルを使っていること、それとReiserFS、DevFSをサポートしていることです。 ただし、非常に残念なことに、Arch Linuxのブートディスクにはbzip2が含まれていません。 そのためすこし手順が増えますが、別途bzip2を入手することで対応します。 余談ですが、汎用的なブートディスクとして一番多く使われているのは、tomsrtbtでしょう。 Gentoo ForumsのFAQではtomsrtbtを使ったインストール方法が紹介されています。 また、Netbootや既存のLinuxマシンを利用したインストール方法も文書化されています。

2.下準備

用意するもの 

  • Gentoo Linux インストールガイド…1式
  • フロッピーディスク…3枚

フロッピーイメージの取得 

Important: この文書では例としてwww.ibiblio.orgからHTTPでファイルをダウンロードする場合を取り上げます。 なお、ダウンロードにはsnarfというツールを使っています。 このツールはHTTPだけでなくFTPにも対応していますし、プロクシも利用できます(HTTP_PROXYFTP_PROXYに設定。大文字ですので注意してください)。 Gentoo Linuxの配布ファイルに関しては、ミラーサイト一覧を見て、なるべく近いところから適切なプロトコルでダウンロードすることをお薦めします。

以下のURLからブートディスクのイメージや必要なツールをダウンロードしてください。 イメージは3つ(Boot/Root/Modules)あります。 それぞれをフロッピーディスクに書き込んでください。

Note: 既にDOS版のrawrite.exeなどを持っているなら、そちらを利用しても構いません。

Windows版のRawWriteを使う場合は、”Floppy drive”でフロッピーを入れたドライブを選択し、”Image file”にダウンロードしたBootイメージを指定して、[Write]ボタンを押してください。 書き込みが終わったら、Root/Modulesをそれぞれ同じようにして書き込みます。

UNIXやLinuxなどを使っている場合は、次のようにしてフロッピーに書き込みます。

Code listing 2.1: ブートディスクの書き込み
/dev/fd0は使っているシステムにあわせて変更してください。
1枚目 (Bootイメージ)
# dd if=boot.img of=/dev/fd0
2枚目 (Rootイメージ)
# dd if=root.img of=/dev/fd0
3枚目 (Modulesイメージ)
# dd if=modules.img of=/dev/fd0
   

3.インストール手順

ブート 

PCの電源を入れ、Bootイメージを書き込んだディスクを入れてください。 すぐにブートプロンプト(Boot:)が出ますので、Enterキーを押してください。 カーネルが読み込まれ、さまざまなデバイスが認識された後、フロッピーを交換するように指示されます。 ここでRootイメージを書き込んだディスクに差し替え、Enterキーを押してください。

Rootディスクの中身が展開されると、プロンプトが表示されます。 Modulesイメージを書き込んだディスクを入れて、次のようにコマンドを入力してください。

Code listing 3.1: モジュールファイルのロード
# loadmods /dev/floppy/0
   

これでモジュールをロードする準備ができました。

Note: キーマップの変更はできませんので、日本語106/109キーボードなどを使っている場合は、キートップの刻印とは違うキーを押さなければならないことがあります。 たとえば、”|”(バー、パイプ記号)をタイプするにはSHIFT+”]”、”:”(コロン)をタイプするにはSHIFT+”;”(セミコロン)、”_”(下線)をタイプするにはSHIFT+”-“(マイナス記号)、などです。

モジュールのロード 

インストールガイドの「カーネルモジュールのロード」(Load Kernel Modules)を参照してください。

ネットワーク環境 

インストールガイドの「ネットワークの設定」(Configuring Networking)を参照してください。 ただし、PPPoE接続およびnet-setupスクリプトは利用できません。

bzip2のインストール 

Gentoo Linuxは、提供されるファイルの圧縮にbzip2を利用しています。と ころが、Arch Linuxのブートディスクにはbzip2が含まれていません。 このため、bzip2を別途入手する必要があります。

Code listing 3.2: bzip2のインストール
# cd /tmp
# snarf http://www.ibiblio.org/pub/linux/distributions/archlinux/stable/
# grep bzip2 index.html
bzip2パッケージの名前を確認してください。必要に応じて、以下のバージョン(1.0.2-3)を書き換えてください。
# snarf http://www.ibiblio.org/pub/linux/distributions/archlinux/stable/bzip2-1.0.2-3.pkg.tar.gz
# zcat bzip2-1.0.2-3.pkg.tar.gz | tar xvf - -C /
   

パーティションの設定 

インストールガイドの「パーティションの設定」(Partition Configuration)を参照してください。 cfdiskコマンドが利用可能です。

ここで注意しなければいけないのは、/dev/hda といった一般的に使われているデバイス名が利用できない、ということです。 以下に簡単に対応表を示しますので参考にして下さい。

一般的な名前 devfsでの名前
/dev/hda /dev/ide/host0/bus0/target0/lun0/disc
/dev/hda1 /dev/ide/host0/bus0/target0/lun0/part1
/dev/hdb3 /dev/ide/host0/bus0/target1/lun0/part3

Note: hda,hdbはtarget0,target1に対応します。 またディスク全体はdisc、パーティションはpart1などに対応します。

Code listing 3.3: cfdiskコマンド
# cfdisk /dev/ide/host0/bus0/target0/lun0/disc
   

Warning: いうまでもありませんが、記述を間違えると大変なことになりかねませんので、落ち着いて充分に確認を取りながら作業を進めてください。

パーティションのマウント 

インストールガイドの「パーティションのマウント」(Mount Partitions)を参照してください。 デバイス名に注意してください。

Code listing 3.4: スワップをアクティブにする
# swapon /dev/ide/host0/bus0/target0/lun0/part2
   
Code listing 3.5: マウントポイントの作成
# mkdir /mnt/gentoo
# mount /dev/ide/host0/bus0/target0/lun0/part3 /mnt/gentoo
# mkdir /mnt/gentoo/boot
# mount /dev/ide/host0/bus0/target0/lun0/part1 /mnt/gentoo/boot
   

Warning: デバイス名の記述に注意してください。

stageファイルのダウンロード 

必要なステージの圧縮ファイルをダウンロードします。 ひょっとしたら、URLが変わっているかもしれませんので、可能ならあらかじめ調べてメモを取ってください。 それがダメなら、directory indexを取得して見つけることもできるでしょう。

Code listing 3.6: 圧縮ファイルの名前を調べる
# cd /tmp
stage1からインストールするなら
# snarf http://www.ibiblio.org/pub/linux/distributions/gentoo/releases/1.4_rc2/x86/x86/stages/
# grep stage1 index.html
stage2か3からインストールするなら
# snarf http://www.ibiblio.org/pub/linux/distributions/gentoo/releases/1.4_rc2/x86/<arch>/stages/
# grep stage index.html
<arch>に指定できるものは以下の通り: athlon-mp, athlon-xp, athlon, i586, i686, pentium3
   

それではファイルをダウンロードしてください。

Code listing 3.7: ステージファイルのダウンロード
# cd /mnt/gentoo
stage1なら、以下のようになるでしょう。(長くなるので折り返しています)
# snarf http://www.ibiblio.org/pub/linux/distributions/
        gentoo/releases/1.4_rc2/x86/x86/stages/stage1-x86-1.4_rc2.tbz2
または、
# snarf http://www.ibiblio.org/pub/linux/distributions/
        gentoo/releases/1.4_rc2/x86/<arch>/stages/stage2-<arch>-1.4_rc2.tbz2
または、
# snarf http://www.ibiblio.org/pub/linux/distributions/
        gentoo/releases/1.4_rc2/x86/<arch>/stages/stage3-<arch>-1.4_rc2.tbz2
   

Note: もちろん、Gentoo Linux 1.2をインストールすることもできます。 その場合は、http://www.ibiblio.org/pub/linux/distributions/gentoo/releases/1.2/stage1-ix86-1.2.tbz2をお試しください。

圧縮ファイルの展開 

ここで、圧縮ファイルを/mnt/gentooに展開します。 そのあと、chrootして新しい Gentoo Linux のインストール環境に入っていきます。

Important: tarする時は必ずpオプションを使用してください。 これを怠ると、いくつかのファイルに誤ったパーミッションを与えてしまいます。

Code listing 3.8: 圧縮ファイルの展開
# cd /mnt/gentoo
# bzip2 -dc stage?-*.tbz2 | tar -xvpf -
# mount -o bind /proc /mnt/gentoo/proc
# cp /etc/resolv.conf /mnt/gentoo/etc/resolv.conf
   

Note: Arch Linuxのブートディスクに収められているコマンドの多くはBusyBoxによって提供されています。 しかし、このツールはbzip2形式を取り扱うことができません。 そのためLiveCDでのインストールとは異なり、上記のようにbzip2とtarをそれぞれ別に実行する必要があります。

Code listing 3.9: chroot 環境に入る
# chroot /mnt/gentoo /bin/bash
# env-update
Regenerating /etc/ld.so.cache...
# source /etc/profile
   

このコマンドを実行したあとは、インストールガイドに沿って進めることができます。 Gentoo Linuxのインストールをお楽しみください ;)

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